代替療法とホメオパシー
代替医療は補完医療とも呼ばれています。何に対し代替(補完)なのか、というご質問には、現代医学にたいして、とお答しておきましょう。何はともあれ、現代生活では病院という巨大産業構造がひとびとの健康を守ってくれると想定されているので、現代医学以外の医療は押し並べて代替医療というカテゴリーに入ることになってしまうのです。 さてこの代替医療ですが、この数十年の医療の動向を観察すると、あれほど綺羅星のように輝かしかった現代医学にかげりが見え始めたと同時にぐんぐんとまっとうな姿を現す始めたと見ていいと思います。 現代医学で治るものと言えば、急性疾患や感染症だけだということがわかられてしまったからなのです。抗生剤や外科的処置が採用される場合に限って治るのであり、慢性疾患に関してはさっぱり治らないのが現状です。 慢性疾患に薬を投与しても副作用はあっても一時しのぎの症状抑えだけが目立ち、また病気がぶり返したり、副作用からほかの病気が出てきたりなどと、いたちごっこのような有様が続いています。結局根本的なところで治っていないのですね。 この観察は一般の人以外にも医療の現場で医師やほかの医療従事者が心の底におりのように抱いている無力感につながっています。あれほど人々の役に立とうと医療を志して努力した結果の無力感です。自分がやっていることが一体なんなのかわからなくなってしまうのです。かくいう私もその一人だったのですが。 そういう時代背景があって現在ではこの代替医療という分野にスポットが当たってきたのです。なんせ病気は漢方、ハリ、気功、アロマテラピー、植物療法、食事療法、運動、生活の見直しなどの代替医療でしか治らないことに人々は気づき始めてきたのですから。こんな機運の中でホメオパシーも2、30年ほど前から復活してきました。アメリカやヨーロッパでの伸びは目覚ましく、現代医学ではなく薬ではなく、もっと素晴らしい、人間の人間による人間のための、優しく穏やかで副作用がなく永続的な療法に出合いたいという欲求が増えてきたのです。 日本も少しずつ本も出版されテレビでも紹介されるなど、ホメオパシーが伸びてきています。 ただし、現代医学を毛嫌いする形で存在するというわけではないということに注目してください。たくさんの問題を現代医学は抱えてはいますが、ほとんどの医療従事者は優しい心の持主で何とかいい方法に巡り合いたくて汲々しているのです。一生懸命現場で命の救助に心血を注いで働いています。緊急医療の素晴らしさは誰にも文句のつけようがないほどです。 ただし、慢性病に緊急医療的なやり方を続けるのには無理があるということ、つまりただ抗生剤を与え続けるには無理があるということなのです。そこは変えていかなければなりません。 将来的にはホメオパシーもまた現代医学に高レベルな形で統合されていくことを考えていくのが総合的医療の充実に結びついていくことになるのです。医療従事者でホメオパシーを学ぶものがこの数年増えてきています。おそらくこの先50年ころにホメオパシーはピークを迎えるでしょう。その後は現代医学の中に融合された形でホメオパシー独自の存在が影が薄れていくと予想されます。いわば理想的な医療が完成されるということでしょうか。 今はまだ過渡期で、ホメオパスもその養成学校もぼんやりした形で身分保障もありません。代替医療を専門的に学ばせるコースがインドのような形でできていくのが理想的ですが、現在は医療従事者と一般の人々の縄張り争いが始まっている状態でしょうか。 さて、ハーネマンが生きた時代にも、この医療での縄ばり争いがあって、時代というのはどうも権利意識や利害関係が複雑に絡みあって一つの文化を形成するものらしく。200年たっても人間の意識は変わりようもないのがよく見えてきますね。 ここでホメオパシーを日常に使いこなしているあるお母さんの悲鳴にも近い声をあげておきましょう。 「私たちからホメオパシーをとりあげないで。ガンジーがインドにホメオパシーを普及させたのも、国民がまずしかったからでしょ。医療費を払えない人もいるのも事実だけど、それより以上に安全で優しい医療は母親たちの一番の願いなんじゃないですか」 と。 光の庭のこどもたち・ホメオパシー用語集トップ |