9、Apis.(エイピス) ミツバチ
APIS      <神 ひさ恵 訳> 

 


大忙しのみつばちさん
私を刺さないで頂戴ね
あなたの一刺しで 皮膚がぷくーっと膨れ上がって
炎のように熱いヒリヒリした痛みに苦しめられる
冷やしたら少しはましになるけれど

侵入者でも見つけたの?
興奮していてコントロール不能なミツバチさん
家の廻りをブンブン言いながら いったりきたり

いつも忙しそうにしているけど、虚しく感じることはないのかしら?
あなたを怒らせるなんて まっぴら
そんな事をする位なら、何処かに隠れていた方がましというもの


あなたはブージーブージーとやかましく せわしなく飛び回り 
武器をちらつかせて、まわりの人を自分の思い通りに動かそうとする
不思議なことにあなたが何かを飲んでいるところを一度も見たことがないの
あなたは本当に喉が渇かないのね
そして具合が悪い時程 過敏に反応するのね

ミツバチさん, どうぞあなたの思う通りに!

私はあなたの邪魔はしないし、ジェラシーを起こさせたりもしないつもり 

だから 一日中 仕事をしたり、思う通りに過ごせますよ

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<プロフィール>
 焼けるような、さすような痛みに、虫さされに使われてきた。
患部が腫れてチクチク痛む、アレルギー反応、
不安で落ち着きがない、
嫉妬

<歴史的背景>
ハチは不滅と勤勉の象徴である。たくさんの数と勤勉に花粉を集めて巣に運ぶ様は、きちんと出来上がった社会を思わせる。ハチが作る蜂蜜や蜜ろうは人々の生活に古くから利用されてきた。世界中の伝統的な医療にも使われ、人間との関係には興味深いものがある。