春の気功瞑想
春になり、体も心も少し浮ついてきます。 この時期の気功瞑想は肝を意識して行います。 肝(臓)は精神の宿し所です。陰陽五行でいうと木(もく)です。大きく手を広げてそびえている木をイメージしましょう。幹はしっかりしていますが、枝分かれした先には細かい繊細な葉っぱがついています。 葉はかすかな風にもそよぐとてもやわらかく傷つき安い部分ですが、古の中国の人たちは、この木がイメージする象形を肝臓にあてたのです。 肝は体の中でも一番大きな臓器なのですが、同時に最も震える臓器でもあります。揺れ動く感情をつかさどるところなのです。 春は心身が揺れうごく時期です。寒さにかたまっていた体を解きほぐして暑さに耐える体を作っていくのですが、この時期に肝に意識を集中して瞑想を積んでいきましょう。 丹田にまず気を集めてから、その次は肝に気を移していきます。相生という方法です。五臓六腑の気のめぐらせ方をマスターしていきましょう。 陰陽五行に従って木から気をめぐらし、火、土、金、水、そして最後は丹田です。 この方法を取りながら内観を続けていきますが、瞑想中に肝臓や他の臓器がイメージできるようになると効果も上がります。 気功はイメージので世界です。気というエネルギーで体中の血液をめぐらせていく気功瞑想は、季節ごとに注目する臓器を変えながらぐるぐると体中に気をめぐらして、体と心を健やかに保ってくれる働きがあります。 春先のふらついた精神と体も肝の鍛連で、力強く、なお繊細な葉を茂らせる大木に変わっていきます |
|
|
気為血師、血為気母 肝臓、という臓器に私たちは何をイメージしているでしょうか。 もちろん部分的な肝臓を取り出して、あれこれ考えるという西洋医学的な発想はこの際おいておいて、のことです。 肝の機能・・・肝は蔵血する 肝は疏泄をつかさどる 肝は筋をつかさどり、運動をつかさどる 肝の華は爪にある 肝は目に開闢する 肝と胆は表裏の関係にある ざっと肝の機能をあげるとこういうことになります。 肝は五行の中の木のように、自由に成長し、押さえつけられることを嫌います。すくすくと全身に気が通じ、散じることを好みます。 この作用が安定していれば、精神状態は安定し、抑うつ状態になることを免れます。 肝はまた、消化器官でもありますから、うまく働くことで消化に滞りもありません。 消化機能が十全であれば、全身に血液もめぐり、筋肉は健やかに動くし、爪の色も血色がよくなります。 視力は肝の徑脈がつかさどりますから、目の状態から肝機能の過不足を伺い知ることができます。 肝は胆と協力し合って精神情緒作用をつかさどりますから、決断力を発揮させてくれるところでもあります。 これほどたくさんのことを肝はしてくれています。 春先に精神的に不安定になる方が多いのは、こうした肝機能の衰えがみられるということなのですね。 そこで気功では、この肝機能に気をめぐらすことになります。 気という目に見えないエネルギーをめぐらすほかに、食事にも留意していきましょう。肝に力を与える食事です。 たとえば、すっぱいもの、麦、にら、すもも、などです。 |
|
|
|